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駅鈴  久保田香里

駅鈴(はゆまのすず) (くもんの児童文学)
内容(「BOOK」データベースより)
「重大な知らせを伝える。それがわたしたち駅家の仕事だ」メールも電話もない時代。駅鈴を鳴らし、馬で駆け、急を知らせた人たちがいた―。近江国(滋賀県)を舞台にした奈良時代の感動ストーリー。

 すごいわ。この仕事に照準を合わせるなんて。「飛脚」は知っているけれど、駅の元となった存在には驚きです。しかもその駅路が現在の高速道路の考え方に繋がっているなんて。
 確かに、男ばかりの職場に女性が関わっているのは創造の世界かもしれないけれど、この時代、孝謙称徳って天皇は女性だったでしょ。女性が冷静に活躍する小説を読むとスカッとするんだよ。
 歴史って奥が深い。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

ちどり亭にようこそ  十三湊

ちどり亭にようこそ ~京都の小さなお弁当屋さん~ (メディアワークス文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
昔ながらの家屋が残る姉小路通沿いにこぢんまりと建つ、仕出し弁当屋「ちどり亭」。店主の花柚は二十代半ばの美しい女性。しかし、なぜか毎週お見合いをしている。いつも残念な結果に終わるのを知ったバイトが「結婚したいんですか?」と尋ねると「お見合いがライフワークなの」と答える、お茶目な人だ。そんな彼女が心をこめて作る最高に美味しいお弁当を食べれば、どんな人でも笑みがこぼれてしまう。ちどり亭を舞台に紡がれる幸せな物語、存分にご賞味を。

 いやぁ、暖かいですな。幸せですな。旧華族って理解しがたいけれど、歴史として存在すべきなのかしら。

 料理の数々と、コツ。知らないこともたくさんあった。ハンバーグの作り方は目から鱗だし。意外に「麩」って使えるものなのね。
今度フライとかする時に使ってみようかな。

 一番大好きな人と一緒になれるこの幸せ。よかったよ花柚さん。

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ジャンル : 小説・文学

フラダン  古内一絵

フラダン (Sunnyside Books)
内容(「BOOK」データベースより)
「ようこそ、フラ男子」藍色の垂れ幕が、ホールの後方の壁にでかでかと貼ってあった。天井の高い会場は、お年寄りたちでいっぱいだ。車椅子に座った人や、腕に点滴の針を刺したままの人もいる。その全員が、きらきらした眼差しでこちらを見ていた。自ずと穣の足に力がこもった―。宙彦と動きを合わせ、軽快なリズムに乗って、ステージの床を踏みしめる。

 よかった~。感動です。そんな甲子園があったなんて知らなんだ。

 みんな個性的なんだけど、とにかく心の優しい子たちばかり。

 それとやはり福島県が抱える問題について。原発という人間が作ったものに、なすすべもなかった。危険物に安全という矛盾がまかりとおってたんだから。公務員の甘さってどうしてなくならないのかな。真面目に考えてる人いるのかな。原発なしで電力をスムーズに供給することが出来たなら。
 大人の甘さに子供たちが翻弄されていく。危険物を安心安全とのたまっているやつらにこの本を読んでもらいたい。己を省みてほしい。

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

イカと醤油  つぶやきシロー

イカと醤油
内容(「BOOK」データベースより)
「お父さんがきれいにしてくれたんでしょ、ありがとう」「んっ、何のことだ、知らないな」父は、すっとぼけた顔をしながら空を見上げて言った。「脱皮したんだろう」「脱皮?」「この前学会で発表があった。昆虫が脱皮するように自転車も脱皮するらしい」息子は「ふーん」としか言いようがなかった。つぶやきシロー、初小説。

 読むのどうしようかと悩みましたよ。ネグレクトっぽいからさ。だけど、だけど中盤からは一気読みでした。
健太が切ないんだよ。子供にとっては、親の世界が自分の世界になるからね。
それでも健太は一所懸命自分で考えることを実行してたんだから、そりゃ泣いちゃうよ。
この短い一冊の中に健太の生きざまがギューッと詰まってる。
 堅実な父親になってよかった。健太は神様かもしれないなぁ。

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

書店ガール④  碧野圭

書店ガール 4 (PHP文芸文庫)
内容紹介
「書店に就職したいと思ってるの?」新興堂書店アルバイトの高梨愛奈は就職活動を控え、友人たちの言葉に迷いを吹っ切れないでいた。一方、駅ビルの書店の契約社員・宮崎彩加は、正社員登用の通知とともに思いがけない打診を受ける……。理子と亜紀に憧れる新たな世代の書店ガールたちが悩み抜いた末に見出した「働くことの意味」とは。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第四弾。文庫書き下ろし。

 自分がやりたい仕事ってなかなかわからない。いろいろ模索しながらふるいにかけていくものなんだから、大学4年とか高校3年とかで、方向性が決められる人ってのは稀だ。

 この年になってやっと、自分のやりたい事、やりたくない事が見えつつあるってとこにきてるのに。若いころはやりたくない職業でも何となくごまかしごまかしやってきた。それも修行の一環だからいいとして。年取るともうそういう余裕ないもんね。
年取ると時間のたつのが早く感じるし、いまさらやりたくない職業で修行するのも無理なの。

 「解説」読んで切なくなりましたよ~。まだこの時はドラマが打ち切りになるなんて予測してなかっただろうから。個人的にあのドラマ大好きだったんだけどな。キャストも良かった気がするんだけど。世の中はわからんな~。

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ジャンル : 小説・文学

浮遊霊ブラジル  津村記久子

浮遊霊ブラジル
内容紹介
初の海外旅行を前に死んでしまった私。幽霊となって念願の地を目指すが、なぜかブラジルに到着し……。川端賞受賞作「給水塔と亀」を含む、会心の短篇集!

【収録作】
「給水塔と亀」…定年を迎え製麺所と海のある故郷に帰った男。静謐で新しい人生が始まる。〈2013年川端康成文学賞受賞作〉
「うどん屋のジェンダー、またはコルネさん」…静けさのないうどん屋での、とある光景。
「アイトール・ベラスコの新しい妻」…ウルグアイ人サッカー選手の再婚の思わぬ波紋。
「地獄」…「物語消費しすぎ地獄」に落ちた女性小説家を待つ、世にも恐ろしい試練とは。
「運命」…どんなに落ち込んでいても外国でも、必ず道を尋ねられてしまうのはなぜ?
「個性」…もの静かな友人が突然、ドクロ侍のパーカーやトラ柄で夏期講習に現われて…
「浮遊霊ブラジル」…海外旅行を前に急逝した私。幽霊となって念願の地をめざすが。

 どの物語も津村ワールドで楽しかったんだけど、もう一番笑ったのは「地獄」です。

 もう出てくる鬼が最高にオモロイ。なんせ鬼たちも憎めないいいやつだから、何だか最後まで付き合ってしまいたくなる。いやぁこんな地獄だったら楽しそうだな。富安陽子さんの「鬼のサラリーマン」を思い出してしまいました。

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ジャンル : 小説・文学

幸腹な百貨店  秋川滝美

幸腹な百貨店
内容(「BOOK」データベースより)
店長をしていた堀内百貨店に事業部長として再び関わることとなった高橋伝治だが、売り上げは激減し、閉店の危機にあることがわかる。時代と部下のせいにする店長に、「気合い」の足りない店員たち。伝治はバブル時代に培ったグルメぶりを発揮し、若い店員たちと、おいしいお店で互いの理解に努めるのだが…

 確かにね~気合の足りない若者も多いし、気が利かない、フットワークが鈍すぎっていう若者に40代の会社員は頭悩ませる事も多いのでは?私もその一人、最近の新人教育ってもう飽和状態でどうしていいかわかんない。あきれ果てて結局自分でしてしまうから教育にもなんないもんね。まぁ会社がそういう気の利かない新人を放置してるから会社側の責任もあるんだよね。とにかく上司が進んで最近の新入社員の教育をやってほしい。安い給料で平社員に苦労を負わせるのはやめてほしいわ。

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ジャンル : 小説・文学

居酒屋ぼったくり⑤  秋川滝美

居酒屋ぼったくり〈5〉
内容(「BOOK」データベースより)
東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある―。旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の第5巻!全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載!

 うきゃー!要さんとついに進展が!といっても私にとっては遅いんだけれども。もう嫌味なくらいに美音坊は鈍感なんだもの。あ~もうわくわく。

 お墓の話ね。私も同感。残された人が自分の心を落ち着かせるためのものだと前々から思ってた。私はこれからの人たちにそんな重荷は背負わせたくないし、思い出してくれなくてもいいし、骨ものこさなくていいし。そういう考えも有りなんだよ。

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ジャンル : 小説・文学

鴨川食堂いつもの  柏井壽

鴨川食堂いつもの (小学館文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
食にA級もB級もありまへんけど、人間にも一流も三流もありまへん。みな同じです。京都・東本願寺近くで鴨川流、こいし親娘が営む食堂では、思い出の「味」を捜してくれるという。父と一緒に食べた料亭のかけ蕎麦、娘が結婚前に作ってくれたカレーライス、初恋の相手との思い出が詰まった焼きそば、裏切ってしまった女性の実家で出された餃子、親友の母がふるまってくれたオムライス、空腹に耐えきれず手を出してしまったコロッケ。食が呼び覚ます温かな記憶にふれ、依頼人は明日への一歩を踏み出してゆく。連続ドラマ化記念、シリーズ初の文庫書き下ろし!

 あ~萩原健一っぽい。毎回思うんだけど、ひるねちゃんが可愛すぎる。確かに料理屋に動物がいるのは、受け入れがたいものね。

 「流」が、作り出す料理も毎度のことながら、素晴らしい。この料理の素晴らしさを文章で表して、さらに目の前にリアルに浮かび上がらせてくれる、この人はいつもながらすごい。

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

君のために今は回る  白河三兎

君のために今は回る
内容(「BOOK」データベースより)
ねぇ、銀杏。わたしたちは確かに友達だったよね?わたしが観覧車の幽霊になって随分時間が経ちました。この観覧車には変わった人がいっぱい乗ってきます。盗聴魔、超能力を持つ占い師、自信喪失した女記者、ゴンドラでお見合いをする美人医師…みんな必死にくるくる生きてる。だから今、わたしは人を思う力を信じてる。そうしたらいつかもう一度、あなたに逢えるかな?これはすれ違う人々の人生と運命を乗せて、回り続ける観覧車の物語―。

 何だか。面白かったんだけど、いろんな要素が詰まりすぎてて私の脳がキャパオーバー。

 運命の糸に結ばれすぎた人々の苦悩なんですけれど。死してなおっていう「千穂」もその一人。

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かえすけ

Author:かえすけ
ほとんど読書感想になっていない気が・・・。

読書をしていると、それから連想される事物が頭を占領してしまう事もしばしば。

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